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大学院に進学決定済の学生起業家“岩田知旺”とは?

岩田さん

インタビュアー・森
早速ですが、簡単に自己紹介の方からお願いします。

岩田さん
はい。
株式会社OnePile代表の岩田知旺と申します。
今は現役の名古屋大学の情報学部の4年生で、2020年の6月の頭に会社を立ち上げてもう少しで半年が経ちます。

インタビュアー・森
なるほど。
ありがとうございます。
大学4年生の6月に起業というところで、就活の時期かと思うのですが、就活もされたのですか?

岩田さん
そうですね。
一応去年の10月位まではしていて、ただ院進と半々位で考えて就活はしていました。
某人材系の大手会社さんとかの短期のインターンに行かせて頂いてました。
その時に元々長期インターンをやっていたりというのもあって、院進をしてもうちょっと学生の間に挑戦してみるのも有りなのかと思い会社を作りました。

インタビュアー・森

岩田さん

インタビュアー・森
なぜ院に行かれるのですか?
卒業して事業にフルで時間を使う方が多いと思うんですが、なぜ大学院に行くことにしたのかをお聞きしてもよろしいですか?

岩田さん
そうですね。
単純に起業する上で、特に僕たちのサービス自体が学生であるということがかなり強みになるということで、一つのモラトリアム期間である学生期間の延長というのがあります。
それなら休学でもいいのではないかという話なのですが、僕の専攻が理系の組み合わせ最適化というものを専攻していて、実際に研究室の先輩でシリーズBに到達して、もうすぐIPOするのではないかみたいな、研究室初のスタートアップとかも所属しているんですね。
名古屋は少し特殊で、東京とかだとそれよりもサービスファーストな起業家の方、学生起業家の方が多いと思うのですが、研究室と共同研究で組んで会社を立ち上げるというパターンがむしろ多いんですよ。
僕も先輩とかを見ていると、とりあえず院に行って研究と事業を組み合わせるのに挑戦してみたいなという気持ちで院に行ったという二つの理由ですね。

インタビュアー・森
なるほど。
名古屋大学はそういった感じなんですね。

岩田さん
結構地域性はあると思うんですよね。
そもそも愛知県はものづくりの街なので。
トヨタのお膝元なので、職人気質というか、そういった気質の人がそもそも多いのではないかという気はしていますね。

インタビュアー・森
なるほど。
起業家の甲子園“ピッチイベント”が起業のキッカケ

インタビュアー・森
名古屋大学の周りでも普通に就職する方も多いと思うんですが、どうして起業されたのかというのが凄く気になります。
恐らく友達の半分以上は就職ですよね?

岩田さん
はい。そうですね。
まず僕は起業家には2パターンいると思っています。
最初からビジョンなり「こういう社会を実現したい」って言って起業するタイプと、
「お金を稼ぎたい」という目的で起業するタイプと。
僕はどちらかというと後者スタートだったんですね。

インタビュアー・森

岩田さん
というのも、長期インターンをやっていて、学生の間から若干ビジネスというものに対して興味がありました。
そこでピッチイベントの起業家甲子園というのが東京でやっているのですが、そこに出ました。
学生の間で起業する人は名古屋だと珍しくても東京とか全国を見渡すと意外と凄い同級生でも頑張っている人がいて、とりあえずやってみるかという割とノリと勢いで起業というものに興味を持ったという経緯があります。
結論大きかったのはそのピッチイベントですかね。

インタビュアー・森
なるほど。
そのピッチイベントは、なぜ参加しようと思ったのですか?

岩田さん
長期インターンでやっていたのは、新規事業開発というものをやらせてもらっていました。
そこでは全然IT企業さんではないのですが、新しい事業を考えてというのをやっていて、
イニシャルコストとランニングコストがこれくらい掛かって、競合と比較するとこういうと
ころが強いのでやりましょうよみたいな話を提案するんですね。
それを、役員の人とかに色々ボロボロに言われながらやっていくというのが割と楽しくて。

インタビュアー・森

岩田さん
そうですね。
筋トレを好きになる人と似ているのでは無いかと思っていて、自分が強くなるのが楽しいみたいな感じですね。

インタビュアー・森
なるほど。
確かに起業する人にはそういう人が多いですよね。
では、長期インターンに行くまでは、一般就職しようと考えていたのですか?

岩田さん
そうですね。
ベンチャーとか視野になくて、大手に行ってそこで一生勤め上げよう位の感じでしたね。

インタビュアー・森
そうなんですね。
本当にそのインターンがきっかけというか、そういった所で起業を頑張ってみようかなと思われたんですね。

岩田さん
売り上げ38円のサービスを作ってしまった過去…。

インタビュアー・森
なるほど。
そのイベントに参加されてからどういう風な形で起業していったのかというのも順を追ってお聞きしたいです。

岩田さん
長期インターンを始めて数か月位で、起業家甲子園の地区大会に出て、その地区大会で優勝したんですね。

インタビュアー・森

岩田さん
その後、地区大会で優勝をしたらシリコンバレーに1週間行かせてもえるという機会を貰って、そこで全国の起業したい人とかとも仲良くなりながら本戦にも出て、本戦でもちょっとした賞を頂いたりしました。
その結果、長期インターン先の会社さんがそれならとりあえず1年という期間で子会社の代表をやってみないかという形でチャンスを貰って、そこで色々と就活とか学校をしながらですが、色々サービスを作ってみるという経験をさせて貰っていたんですね。
それが3年生の春から4年生の頭位までという感じですね。

インタビュアー・森

岩田さん
そこでサービスを立ち上げたりというのをしてたんですね。
その時は冒頭で言ったようににとりあえずお金儲けをしようというか儲かればいいやみたいな感じだったなので、質問箱みたいな物を作って一発バズらないかなみたいな感じのノリと勢いで作っていたんですね。
売り上げが38円みたいな残念なサービスが出来上がってしまったりしました。

インタビュアー・森

岩田さん
あとは就活も平行してやっていたので、就活で子会社の代表をやっているからといってちょっとに調子に乗って面接に行って、ボコボコにされてメンタルへこんでということを繰り返していました。
1年で特になにか結果を残せた訳では無いのですが、とりあえずそういう機会を頂いたというのがあって、その中で気が付いたのがお金儲けということだけだとサービスって大体上手く行かないことのほうが多いというか、上手く行くサービスなんてほとんどないと思いました。
なので、自分だから出来る、自分しか出来ないからやっているんだという使命感だったりとか、自分はこういう世界を変えたいみたいなやつが無いと多分無理だということに気が付いて、自分の中でちょっと振り返ったんですよ。
自分は何変えたいかなと思って。
そしたら、就活に行った時に、東京の人は皆長期インタ―ンに行っているんですけど、
名古屋には当時「名古屋 長期インターン」で調べてもほとんど案件がなくて。

インタビュアー・森
なるほど。
就活でボコボコにされたとういのが結構キッカケなんですね。

岩田さん

インタビュアー・森
そうなんですね。
就活して色々言われて、そこをノウハウ化というかそこで名古屋に長期インターンというのをやっていきたいんだということで事業自体は始められたという感じなんですね。

岩田さん
そういう流れですね。
名古屋にはあまりなかった“長期インターン”を!

インタビュアー・森
長期インターンをやっているということなのですが、具体的にどういった事業内容をやっているかお聞きしたいです。

岩田さん
そうですね。
今は所謂求人広告のサイトっていう形でやっています。
サイトに色んな求人も案件が載っているのでそれを見て学生さんが応募出来るような仕組みを作っていっているような感じです。

インタビュアー・森

岩田さん
そうですね。
マイナビみたいな感じの事をやってます。
ただあくまで長期のインターンなので、
感覚的にはタウンワークに近いかなと思います。

インタビュアー・森
なるほど。
学生さんの流入はどういった風に行っているのか気になるのですが、Twitterを拝見したらSEO1位と書いていたので検索エンジンの方から入っているのかなという印象もあるのですが、それ以外にも流入先とかはあるのですか?

岩田さん
そうですね。
結構SEOが大きくて、後はTwitterですね。
SEOは最近2位に下がってしまったんですけど、それでも流入数は多いですね。

インタビュアー・森
一般学生は考えられない出会いがある。

インタビュアー・森
起業してトータルで良かったこととか苦労したところというのをお聞きしたいです。
学生目線で良かった所とか苦労した所って何かあったりしますか?

岩田さん
そうですね。
学生目線でいうなら、社会人と話す機会が増えるというところですかね。

インタビュアー・森

岩田さん
やはり、学生は普通学生の知り合いしかいないのですが、逆に学生よりも営業先の社長にこの夏でも50人位とか会ったりとかはしているので、周りにいる人の質が変わってきます。
周りに良くいる5人の平均値が自分のレベルだと言われると思うのですが、それで周りのレベルが上がって行けば自分のレベルも上がって行くというのが一つありますね。

インタビュアー・森
なるほど。
周りの人間が変わって自分のレベルが上がったということが良かったことなんですね。

岩田さん
そうですね。
営業もそうですし、起業している先輩とかも目をかけてくれるようになったので、そこで色々教えてもらったとかも普通の学生であれば出来ない経験だろうなと思います。

インタビュアー・森
なるほど。
ありがとうございます。
逆に苦労したこととか悪かったことをお聞きしたいです。

岩田さん
やはり周りの人に協力してもらってなんとかやっているという状態なので、本当に視点を詰めるのが大変です。
例えば会計とか、会計はどうやって処理したらいいのかとか分からなことだらけなので、その辺は苦労しましたね。

インタビュアー・森
なるほど。そうですよね。
最初は分からないことばかりという感じですよね。

岩田さん

インタビュアー・森
確かにそうですよね。
ありがとうございます。
選択できる時間がある時に判断した方がいい。やってみないと何も分からない。

インタビュアー・森

起業を少しでも考えているのであれば、早ければ早いほうが良いと思っていて、というのも僕は2年生の夏位から長期インターンをし始めて、院試という期間も含めてなんとか起業という選択をして自分の中でも慣れてきたというか、元々就職前提で動いていた人間が変化するのにもなかなか時間がかかります。
そこがパッと変わる人ももちろんいるのですが、僕はどちらかというとそういう突飛な発想をする方ではなくて、凡人な発想なので、そこの修正に凄く時間がかかるタイプで、周りの方からの視線も気にするタイプだったので時間が掛かりました。
例えばこれが1年、2年位遅れていたらと考えると、多分僕は就職をしているんですよ。
そこの考える期間というのは学生だからこそあるから、例えば休学をして時間を作るというのもあるし、学生の間ってミスをしても新卒就活をしてセーフになる。
僕は全然新卒就活をするつもりはもう無いですけど、そういう選択肢がある期間の間でどれだけ自分の中で自分と向き合えるかといのが凄く大事なので、とにかく早くフィールドに立って状況を見てみる。
やってみないと分からないこともあるのでやってみるのがいいのではないかなと思いますね。

インタビュアー・森
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