医大生で工学も学ぶハイスペック学生起業家

インタビュアー・森

井出さん
はじめまして、井出直毅と申します。
僕は大阪大学で歯科医療を学び、チューリッヒ大学でブロックチェーンについて学んでいる学生です。

インタビュアー・森

井出さん
趣味は色々あるんですけど、最近力を入れているのがチェロです。
これまではドラムをやっていたんですが、美しい音色に魅了されて2年前にチェロをはじめました。日本でアートが流行ってきているのでその波に乗っかって色んな場所で演奏できればなと思ってます!
とはいえ楽器の難易度が高くてまだまだ苦戦してます…(笑)

インタビュアー・森
いつか演奏お聞きしたいです(笑)

井出さん

時間を最大化させるために辿り着いたのがコンサルティング業

インタビュアー・森

井出さん
コンサルティング業を主とした仕事をしています。
具体的には、複数のクライアント企業に対してSEOやCVRの向上を図るためのデータアナリティクス、マーケティング、戦略考案をしたり、他にもITスタートアップの企業と提携して医療におけるブロックチェーン導入のプロダクトの共同開発をさせていただいています。

インタビュアー・森
なぜその道を選んだんですか?

井出さん
理由は色々あるんですが、一番は時間を最大化するためです。
阪大の歯学部は束縛条件が厳しくて、平日は少なくとも最低毎日9:00〜17:00の時間で6年間も大学に拘束されてしまうんです。(笑)

インタビュアー・森

井出さん
そこで、大学の休み時間や通学の時間(これが、計算すると週30時間にもなるんです)を仕事に当てられればいいなと思い、PCやスマフォがあれば身一つでできて、かつ場所にとらわれない仕事を考えて辿り着いたのがコンサルティングの仕事なんです。

インタビュアー・森

井出さん
そんなことありませんよ。
仕事どうしがシナジーを生めるうえに、個人事業で医療とコンサルの仕事の両軸を持っている人となるとそもそもの人のパイが少ないので、努力と見せ方次第で圧倒的に属人性を高めることもできます。

インタビュアー・森

井出さん
二次的にはそのノウハウ、稼ぎ方自体を商材にして売ることもできますし、それ以上に、この資本主義社会においてこのスキルは何にでも転用できます。歯科医師として開業するとなってもそれはもちろん応用できます。
そのうえこんなことやってる人のパイは少ないので必然的に属人性が高くなって、属人性が高くなれば多くの人の目に留まるようになるので、事業をするうえで位置エネルギー的に有利になります。
それに医療も実際コンサルと同じじゃないですか?専門性のある知識と技術をもつドクターは自分自身が商材になっているので。

インタビュアー・森
確かに、そう考えると今されている仕事は今後もあらゆる面で活かせそうですね!
とはいえ、そのポジションに就くには相当な努力と、初期の金銭的な苦労があったんではないですか?
3年間ガムシャラにインプットとアウトプットの繰り返し

井出さん
それはもちろんめちゃくちゃ勉強しました!僕は母子家庭で弟がいるにも関わらず2年生の時に成績が悪くて留年してしまって、(笑)その時に「なんとかしないと!」と思ってこの道筋を描いたのですが、前例がない不安と戦いながら今日に至るまでの3年間ほぼ毎日勉強しては仕事でアウトプットの繰り返しです。
それにはじめの半年に関しては実績も何もなく、月に5万円程度でメディアの受注を行っていたので、塾講師のアルバイトもしながらなんとか食いつないでいるような状態でした。
今もお世話になった塾に対する恩返しとして大手塾で月に3回ほどの講義を担当していますが、今の収入からすれば時給4000円のアルバイトといえどもコンサルの仕事に比べて遥かに安いです。(笑)

インタビュアー・森

井出さん
それに、個人事業主は会社に比べて形式的な信頼度は低いので、クライアント企業や投資家との信頼構築には多くの時間をかけて実力を証明する必要があります。

インタビュアー・森
その多忙な大学生活の中で実際に1人でそんなことがこなせるんですか?

井出さん
僕が苦手とする部分を補ってくれる仲間や、さらなる学びの機会を得るための資金が必要だと実感しました。そこからSNSを駆使して仲間や投資家をを探して、今は幸い僕の苦手とする部分を完全に補ってくれる大切な仲間たちと一緒に仕事ができていますし、学びに必要な費用も全額出資してくださる投資家とも出会えました。本当に便利な社会ですよね、、、SNSの恩恵です!
その方の支援でブロックチェーンの聖地であるスイスのチューリッヒ大学での学びの機会を得ることができて、それが今の医療情報管理アプリ開発の事業に取り掛かる契機となったんです。

インタビュアー・森
彼と繋がりがあると聞いてるんですが、どのような関係ですか?

井出さん
今実際に僕は岡が代表を務める(株)PHIでWebマーケターというポジションになっていますが、結んでいるのは雇用契約ではなく、PHIにとって必要なタイミングで事業を行う業務委託という形式にしていただいているので、彼とは常にイシューベースで仕事ができる状態になっています。二重の意味で(笑)
因みに僕が最初に自己紹介で申し上げた医療情報管理のアプリケーションですが、あれははじめは岡経由で知り合った投資家の方に支援していただいたことに対する恩返しとして関わらせていただいたプロジェクトなんです。

インタビュアー・森

井出さん
なぜ恩返しになるのかという話は少々ややこしいのですが、ざっくり言うと、その投資家の方の所属している財団(IOST財団)の通貨(IOST)を用いて開発を行うことでその通貨の価値を向上させ、それが結果としてIOSTのコミュニティーメンバーを増やすことにつながるからなんです。
ちなみにIOST自体はつい先日ニュースでも取り上げられていましたが、無事に日本国内の取引所でも上場しましたね。ICOのニュースの中では最も嬉しいニュースでした!

インタビュアー・森

井出さん
もちろんです!
まずきっかけをお話させていただくと、阪大での2年生の専門科目の講義のとき、医療の業界が抱えている課題についての講義があって、そのときシンプルに1つでも問題を解決したいなと思いました。
とはいえそんな課題は世界中のもっとすごい人たちが考えて実行しようとしていることは誰にでも想像がつくので、大抵の人はその時点で諦めますが、僕は貪欲で諦めが悪いので、諦めずに済むように僕のできない部分を補ってくれるチームを組んで挑めばいいと考えました。(笑)
そんな野望を抱きながら仕事をしていると、ご縁があって(株)Pracsや(株)EverSystemのCEOや社員の方々と4人の開発チームを組ませていただくことができました。元々は岡経由で知り合ったので岡に感謝です。

インタビュアー・森

井出さん
最高のメンバーだと思っています!
僕の知識面での強みはWebマーケとブロックチェーンと医療の3点に尽きるので、それらを最大化することが可能なイシューを見出したいなということで、いまようやく「ブロックチェーンを用いた医療情報管理アプリケーション」という形で、患者の医療情報を患者自身の手に還元し、民主化することが可能な完全秘匿性の医療情報のトークンエコノミーを構築するモデルを作り上げ、これから病院で実証実験を行っていこう、というところにまで来ました。幸い阪大は関西圏の病院に大きなコネクションを持っているので、営業面での位置エネルギーは高く、これを利用しない手はないと考えています。(笑)
医療情報管理のアプリケーション開発の進捗はPRTimesでは定期的にプレスを打っていただいているのですが、まだ今のフェーズではお話できない内容が色々とあるので、いずれリリースする日がくればその際にまたこのメディアやその他のメディア等を通じてご報告させていただけたらなと思います!

インタビュアー・森
同年代の読者さんへのメッセージ

井出さん
大学に入るまでの学校教育は基本的に課題ありきの状態で、僕たちはいかにして正解を導き出すかという勉強に特化してやってきたので、どんなに名の通った大学に行ってようが、ゴールやイシューを発見してそのための戦略を考えることに関しては素人です。
その点においては、大学に入った時点ではその大学のレベルとはまったく無関係です。
その上で、そこから勉強して、思考して、行動して、フィードバックしてを繰り返しながら、それらを学んでいく人とそうでない人で大きな差ができてしまうのは必然です。
ゼロイチで何かしらの事業をされている方にはお分かりいただけると思いますが、成果が出るまでには時間がかかるので、数ヶ月やってみて何かが変わるかと言われればよっぽどの限りそんなことはありません。
長期的な蓄積によってのみ形成される価値です。
そのための自己投資期間として大学の4年〜6年という期間はちょうどいい期間だと思いますし、ロールモデルのないAI時代に社会で確実にポジションを取るには、どんな分野であろうとあらゆる経験に投資して属人性を高めていくほかないと思います。

井出さん
Youtubeなどを見ているとホリエモンのような成功している実業家の方はとにかく行動しろ、と言います。
もちろん正論ではあるんですが、実際行動してからぶち当たる壁はめちゃくちゃ大きいです。自分1人で挑む分には問題ないですが、下手に自分自身を過信して明確な戦略もなく行動し、周りの人間まで巻き添えにして失敗してしまってはそれは本当のリスクになります。
ちゃんと綿密に市場やペルソナを徹底的に調査し、ゲーム理論に基づいて慎重に戦略を練り、成果を挙げられる見込みを十分にシュミレーションしてからでないと、結婚して子どもが生まれたときにもその失敗ゆえにちゃんと家族を守って支えてあげられなくなってしまう可能性もあります。
とはいえ、自身に知識や経験やノウハウを蓄積させていざ行動すべきときがくればそれに備えられるようにしておくことは重要で、そういったことの積み重ねがいつか適切な行動のタイミングや機会を作ってくれるように思います。
そして、会社ではなく社会という抽象度で確実にポジションを取り、「会社のリソースとしての自分ではなく、社会のリソースとしての自分になる」ことが何よりも重要だと思います。
最後になりますが、僕自身はまだまだ成長過渡期で、これからも手を抜かずに実績を積んでいく所存ですし、もしこれを読まれたうえで尚、行動するという決断をされた方とは何かの形で一緒に事業ができればいいなと思います!

インタビュアー・森
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